高ROE企業への投資前に知っておきたい「ROEのワナ」

1.何かと話題 ROEについて

ROEは、特に海外において、企業の収益力を評価する基準として重要視されてきました。近年は、日本企業にもROE向上が求められるようになり、新しく重要指標として掲げる会社が増えています。

投資経験者の皆様はご存知の通り、自己資本利益率(ROE:Return On Equity)は、企業が株主から預かった資産をどのぐらい効率的に使っているかを示す指標です。最終利益を自己資本で割って算出します。つまり、数値が高いほど、効率的に利益を稼いでいると判断することができます。

2.ROEは利益を増やさなくても上げることができます

しかし、本来の目的である「分子の当期純利益」を増やすだけでなく、除する「分母の自己資本」を減少させることでもROEを高めることができるのです。

すなわち、ROEだけを見て、企業の良い悪いを判断するのではなく、 ROEが増加傾向にあるのであれば、「しっかり利益が増加しているか」あるいは「自己資本の減少によるROEの向上ではないか」という点をしっかり確認してください。

3.借入金を増やすと財務的なリスクが増加します

例えば、同じ100万円の利益を稼ぐために、自分のお金1000万円を使うよりも、自分のお金10万円+借金990万円を使った方が、ROEは高くなります。しかし、同様のケースをご自身のプライベートに当てはめて考えてみてはどうでしょうか。

会社を退職して事業を始める時に、1000万円のお金を手元資金とするのか、あるいは990万円の借金をするのか。

財務的なリスクの差を大きく感じるでしょう。その後の意思決定にも大きな影響を及ぼしかねないとも思われます。ROEという「資本効率」だけが重要なわけではありません。

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4.ROEだけでなく多角的な分析が必要です

つまりROEだけでなく財務面を勘案してしっかり分析していく必要があると思います。ご自身で分析する時間やスキルがある方は、是非、エクセルなどを用いてチャレンジしてみてください。良い勉強になるはずです。その過程で分からない点があれば、ご質問いただければ幸いです。

ただ、自分で分析するためには相応の時間が必要です。費用対効果を考えれば、企業分析を本業とするプロの情報を得ることも、価値あることだと考えます。より効果的かつ効率的な運用ライフをお送りください。

5.業界やビジネスモデルによってもROEは大きく異なります

例えば、同じ商品を販売する会社があったとしましょう。A社は、自社で工場を持ち、自社で生産しています。一方、B社のROEはA社の3倍もあります。何故でしょう?B社のビジネスモデルが想像できる人、いますか?

一般的に、B社が自社で工場を持たずに、他社の工場に生産委託(いわゆる OEM生産)しているファブレス経営の場合、A社と比較してROEが高くなって当然です。この場合、そもそもROEにより比較することは、何の有効性もありません。

※ROEを分解したデュポンなどを用いれば、見えてくることもあるかと思いますが、この点については後日、ご説明させてください。

つまり表に見える指標だけで投資判断を行うべきではありません。今は、一般投資家や機関投資家などマーケットにおける情報格差はほぼないと思われます。だからこそ、分析の格差が重要度を増していくはずです。

5.ROEを高めるファイナンスの重要性について

最後に。

今回のレポートでは、借入を増やして財務レバレッジを高めることを否定しているわけではありません。日本は、今マイナス金利にあります。個人的には、積極的な借入をして自社株買いをする日本企業が非常に少ないことに疑問さえ感じます。上場企業であるならば、ファイナンス施策は重要であると管理人は考えています。

ただ、今回のレポートでお伝えしたいのは、何事も一つの側面だけで判断するのではなく、多角的な視点を大切にしてほしいということです。

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