プロの投資家が投資信託を購入しない理由シリーズ第2弾です。
前回は、
【初心者必読】プロの投資家が投資信託を購入しない理由1「手数料・コストの高さについて」
において、手数料の負担(売買手数料・信託報酬)が運用資産に大きなダメージを与えることについて情報を共有しました。
今回は、投資の基本的な概念であるリスクとリターンについて、解説します。
1.1リスク=リターン
「なるべく少ないリスクで、なるべく大きなリターンを得たい」と考える人は多いと思います。しかし、それは不可能です。
理論的に、期待リターンはプラス方向への振れ幅であり、必ず同等のマイナス方向への振れ幅であるリスクが存在します。
1.2期待リターン0.5%or10%どちらが魅力的ですか?
簡単な例では、地方公共団体などが発行する債券のクーポン(≒金利)が0.5%を取り上げてみましょう。
- 0.5%のリターンを得られる確度は非常に高いと思われます。
- 発行体である地方公共団体が潰れる可能性も低いでしょう。
すなわち、低リスク低リターンの安全性が高い金融資産と位置付けることができます。
別のケースでは、ブラジルレアルの債券を見てみましょう。
- 債券のクーポンは10%と高いはずです。
- 同等のリスクがあると理解することが重要です(
- 発行体の信用リスクだけでなく、ブラジルという国の状況なども背景にはあります。
- 具体的には、レアルの為替により更に利益が得られる可能性もあれば、大きな損失が生まれるリスクもあります。
- 新興国ですので、地政学リスクなども低くありません。
つまり、リターンに見合うリスクがあると、しっかり認識してください。
1.3どの投資信託が魅力的な商品か?
0.5%のリターンが期待できる投資信託か、10%のリターンが期待できる投資信託か、どちらが魅力的な商品と言えますか?
リスクとリターンの概念を理解した方には、すぐ分かるでしょう。それぞれ、同等のリスクが存在します。
「人それぞれの投資目的により、答えは異なります」
2.1投資信託だから安全という概念自体が間違っている
つまり、投資信託だから安全だとか、高いリターンが期待できると言った考え方自体が間違っているのです。
特にリスク商品を扱い慣れていない銀行などでは、定期預金と抱き合わせるような投資信託を販売して「プロが運用するので、高いリターンが期待できる」という説明がされることも多くありますが、勘違いしないでくださいね。
期待リターンには見合うリスクが存在し、また、投資目的により判断が異なります。
つまり、低いリスクで高いリターンを得られる投資信託は存在しません。
高い専門性が運用の手助けとなることはあるでしょう。
ただし、次回お話しさせていただきますが、もちろん素人投資家と、投資信託を運用するファンドマネージャーには情報格差や分析にかける時間の差、経験などに大きな差があります。
プロを上手く活用することは、副業投資家にとって、効率的かつ効果的な運用の手助けになるはずです。
しっかりと自分で学び、判断しながら、うまく専門家を利用してほしいです。